移住者の声:山本周作さん

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山本周作さん一家は、父、母、5人の子ども達という大家族で、3年前に滋賀県から高浜町の「上瀬地区」に移住されました。現在は京都に住んでいたご両親と合流し、三世代、家族9人で暮らしています。上瀬地区は高浜町の中心地から、山道を車で約30分行った場所にあり、日本の原風景が残る、自然豊かな場所です。そこで山本さん一家はどんな暮らしを送っているのでしょうか。

 

移住のきっかけ

 

ここ上瀬は父の実家でして。京都で働いていた父が定年退職を向かえ、50年ぶりにUターンすることになったんです。私の方も子どもが増えてきて、そろそろ引っ越しせなあかんな~と思ってたんですけど、見ての通りここは自然がいっぱいで、空気もきれいですし、子どもを育てる環境にはすごくいいんじゃないかと思いまして。父と一緒に高浜に移住することにしました。父はUターン、私は「孫ターン」っていうらしいです。父の実家なので、小さいころには何回か遊びに来たりしてましたし、小学生の時には臨海学校で和田の浜とか、葉積島とかも行って「高浜はキレイな所やな」っていう思い出がありました。そういうのがあったから住んでみたいと思ったのかもしれませんね。あとは、おじいさんおばあさんが代々守ってきたこの家を、なんとか残して、再生したいと思ったからですね。いいでしょ、この窓から見える景色とか。

 

 

 

移住を決めた時の家族の反応

 

色々話し合ってはいたんですけどね、家族は不安を持ってました。嫁さんは特に、どこに連れて行かれるんやろ…という感じで。私の気持ちが強かったので、家族はそれについて来てくれたというか(笑)

 

奥さん「めちゃくちゃ反対してました!ぶっちゃけ…無理やり連れてこられた(笑)言い出したら聞かないんですよね~」

 

 

 

今の仕事に就いたきっかけ

 

地域に関わる仕事がしたかったんです。滋賀にいる時は郵便局勤めだったんですけど、子どものPTAや国際交流、自治振興会もやっていて。そういうのに関わってるうちに「なんかこっちの方が面白いな」と思い始めたんですよね。だんだん本来の郵便局の仕事と逆転してきて、最終的には滋賀県で『おうみ未来塾』といった地域プロデューサーを目指す塾みたいなのにも参加しました。なので高浜で「地域おこし協力隊」の募集をみつけた時、これやと思いましたね。

 

高浜暮らしの魅力と苦労

 

なんといっても空気がキレイで、景色がいいこと。それが自分の気持ちも落ち着かせてくれるというか、最高ですね。見ての通り子ども達ものびのびと、元気に過ごしています。滋賀にいた時よりもよく動き回って、体も強くなってるような(笑)子どものことだと、福井県は学力が高いじゃないですか、なおかつ内浦小中学校は人数が少ないので、先生とほぼマンツーマン。すごくいい環境だと思います。あとは、都会にも、また高浜の町の方にもないことかもしれませんが…雨降ったら洗濯物を取り込んどいてくれたり、子どもたちを見守ってくれたりと、近所がすごく協力的です。「お互い様」「おかげ様」の精神で助け合いながら生活している感じですね。今の時代なかなか無いですよね。

 

 

大変なこともいっぱいありますよ。こどもが熱出したりとかした時に、病院まで最低でも30分かかっちゃうのでね。急病とかあった時に間に合うんかなという不安はいつもあります。あとは、「醤油きれた!」とかなってもすぐ買いに行けないし、土日にスーパーで買いだめですよね。大人だけだと、どうにかなるところも、子供がいるとどうしてもね、読めないこともありますから。「おむつが足りん!」とかね。幸いご近所で仲良くさせてもらってるんで「ちょっと貸してー!」って貸してもらったりできますけど(笑)あと、意外に盲点なのがタイヤ。ガソリン代や交通費の出費ももちろん大きいですが、この辺ずっと、山道のくねくね道でしょ?すぐ擦り切れちゃって、タイヤが一年持たないんです!タイヤも安くないからすごい出費ですよね。ええとこなんやけど、半面日常的な部分では結構苦労してるかな。うまいこと生活を設計してやらないと、ここでの生活はむずかしいですね。町の中にいるよりお金かかっちゃうこともあります。これも現実ですね。

 

 

夢や今後やってみたいこと

 

この離れを利用した民泊をやりたいと思ってます。都会から来た人に非現実的なこの暮らしを体感してもらえるような。世の中忙しい感じで、心の病気も多いじゃないですか。そういう人たちもここに来て少し元気になってくれたらいいですよね。たいしたおもてなしはできないですけど…。家も家族みんなで手作り改修していこうと考えています。「ダッシュ村」みたいなのイメージしてるんですけどね(笑)上瀬村の海辺に船小屋があって山辺に古民家があって。今、県や町、地域の方々にもバックアップしてもらいながら、少しずつ進めているところです。夢を実現させるためには資金をつくらないといけないですし、日々の生活資金も必要なので、課題はたくさんあります。夢を追いかけながら、生活の部分もしっかりしていけるようにちゃんと働いて、楽しみながら元気にできたらいいなと思います。

 

 

移住を考える人へメッセージ

 

実際生活面では大変なことも多いです。でもそれ以上に、子どもたちが元気にのびのびとしていることが、私らにとっては大きな魅力です。しんどいことばっかりじゃ、長く住めないと思うんですよ。なにかそこに大きい魅力が無いと。なので、まず現地に行ってみて、そこの良さを知って、ここやったら楽しく暮らせるなって確信できるなにかをみつけてほしいと思います。

 

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