チリも積もれば若狭富士-後編-

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みなさん、おはこんばんちわ。

 

ごみに注目して一年以上

 

気づけば携帯電話の写真がごみだらけ

 

なんだか何かに目覚めそう、危ないまつゆうです。

 

 

前回は「チリも積もれば若狭富士-前編-」という表題のもと、冬を中心に流れ着いてくる海ごみについてお話をさせていただきました。

そして今回は後編として、海ごみがどんな影響を私たちにあたえるのか?

近年話題となっている「マイクロプラスチック」にフォーカスをあててお話ししていきたいと思います。

 

 

 

 

さて、いきなりマイクロプラスチックなんて単語が出てきましたが、みなさんは聞いたことがありますか?

もしかしたらニュースで耳にされた方もいるかとしれませんが、まずマイクロプラスチックとはなんぞや?ということからお話ししたいと思います。

 

マクロプラスチックとはざっくりいえば呼んで字の通り、非常に細かいプラスチック片のことを指します。

実は問題視されはじめてからの歴史がまだ浅いため、大きさや材質などその明確な定義は決まっていません。

ですが、近年ではおおよそ5mm以下のプラスチック片を指している場合が多いと言われています。

 

「5mmって小さくてよく分からん」と思われたあなた、手元に10円玉を準備してください。

 

 

 

 

この10円玉に描いてある「10」 

 

これでだいたい5mmです。

 

 

 

 

そして「そんな小さいプラスチックなんて落ちてるの??」と思われたあなた、実際にビーチにいってみましょう。

 

 

 

 

さあ、ここからズームしてみると…

 

 

 

 

なんだかカラフルな破片が…では手に取ってみましょう。

 

 

 

 

プラスチック片でした。

 

残念なことに砂浜をよく見ると、いくらでも落ちているのです。

このように、小さいプラスチック片は、私たちがあまり気にしないだけであり、実は私たちの身近によく落ちている海ごみなのです。

 

 

 

 

では、どうして大量のプラスチック片が出来るのでしょうか?

 

まず、漂着するプラスチックは、一次プラスチックと二次プラスチックの2種類に分けられます。

一次プラスチックは、主にプラスチック製品の原材料や歯磨き粉、洗顔の研磨剤として使用される、元から小さいプラスチック片のことをさします。

身近なものとしては、歯磨き粉や洗顔の研磨剤、つまり「スクラブ」に小さいプラスチックを使用している場合があります。

歯磨き粉をニュルッと出した際に中に入っているツブツブしたもの、あれがスクラブです。

 

 

※環境省「海洋ごみとマイクロプラスチックに関する環境省の取組」より抜粋

(※近年メーカーによってはプラスチック製スクラブを天然由来成分の物に変更するといった対応を行っています。スクラブ製品全てが一次プラスチックに該当するわけではありませんので、予めご了承ください)

 

 

また、プラスチック製品の原材料に関しても、輸送中の船舶からこぼれた、陸上で風に飛ばされ海にたどり着いたなど、様々な理由で海ごみの一部となります。

砂浜によっては「レジンペレット」と呼ばれるビーズ状の物体として打ち上っていますが、現在のところ高浜町ではあまり確認されていません。

 

 

 

 

 

二次プラスチックはプラスチック製品が何らかの原因で破砕され、細かくなった際に発生するプラスチック片をさします。

 

「丈夫なプラスチック製品が簡単に細かくなるのか?」

 

はい、なるんです。

 

プラスチックは紫外線、つまり日光を浴びると劣化し、脆くなります。

それが波風にさらされ、浜辺や岸壁に打ち上ることで粉々に壊れ、さらに砂や波により更に細かく細分化されます。

これにより二次プラスチック、つまり先ほどお見せした、ビーチのプラスチック片の正体なのです。

 

 

漁業で使う漁具やプラ製のかご、日用品が砕けて積み重なった様子。発泡スチロールは元々脆いため細かくなりやすい。

 

 

その細かくなったプラスチックは波にさらわれ、また海中へ流れていき、誰も回収できないまま、海を漂うという、

大きなプラスチック片が目にも見えないサイズになり、陸上と海中に増え続けるサイクルがすでに出来上がっているのです。

このようにマイクロプラスチックは、主に2種類の方法から出来ていることがわかります。

 

そしてなによりも厄介な問題として、海中、陸上問わずこれら小さいプラスチックに対する有効な回収手段方法はなにも確立されていないのです。

陸上に散らばるプラスチックの破片…海に浮かぶプラスチックのごみ…

これらは人力で回収する以外、有効な手段はまだ見つかっていないのです。

 

 

 

 

「そんな状態でこれからどんな影響が出るんだろう…??」と心配されたあなた。

 

実のところをいうと、まだ何もわかりません。

 

問題として認識され始めたのがここ近年になるため、実はその影響は未だ世界各地で検証中なのです。

 

ですが、安心しないでください。

 

すでに私たちの生活へ、影響が出始めています。

そしてほぼ確実に、大規模な社会問題となることが予想されます。

それはマイクロプラスチックが有毒物質を吸着したまま、それが魚介類を通じて私たちの身体に入り込んでいるからです。

 

 

まずマイクロプラスチックは物質の構造上、物を吸着しやすい性質を持ち合わせています。

そしてそれは、「POPs」という有害物質も例外ではありません。

「POPs」とは日本語で残留性雪汚染物質と呼ばれる有毒物質の総称であり、ひらたく言えば農薬や殺虫剤、ダイオキシン類といえば分かりやすいでしょう。

そしてこれらはいわゆる「環境ホルモン」とも呼ばれており、過去の例としてはワニや魚が雄のメス化、雌雄同体といった影響が確認され、生殖能力への影響、子どもが出来辛くなることが分かっています。

 

 

(※環境省にてパンフレットが発刊されています、ぜひご一読ください)

・環境省ホームページ:POPsに関するパンフレット

https://www.env.go.jp/chemi/pops/pamph27/pdf/mat00.pdf

 

 

そしてそれは海中に生きているプランクトンや小魚を経由して、それを食べる魚、貝類へ移り、それらを海の幸と呼んで食べている、わたしたち人間の体内へ入り込んでいるのです。

巡り巡って私たちが出したごみが、私たちの口の中に入っている。

そう考えるだけでも嫌な気分になりますが、さきほどのPOPsがその問題をさらに深刻化させています。

プランクトンから小魚、小魚から魚…このような「食物連鎖」の流れにおいて、生物濃縮と呼ばれる現象が起こります。

それは生物が取り込んだ物質が食べられることで、その捕食者、食べた生物にはさらに濃くなって身体に蓄積する現象であり、食物連鎖の上位になるほどその影響を受けやすくなるのです。

 

つまり、人間には何十倍もの濃度で汚染物質が取り込まれ、将来的に影響を及ぼすことが懸念されるのです。

 

 

環境省資料:POPs より抜粋

 

 

 

実際に、東京農工大が東京湾で採取したカタクチイワシを調べたところ、64匹中49匹、実に8割のイワシの消化器官内からマイクロプラスチックが検出されたとのことでした。

 

 

 

 

もちろん、場所や条件によって、魚が摂取しているかどうか違いはあります。

しかし、今後もマイクロプラスチックが増えることは確実視されています。

つまりマイクロプラスチックを身体に取り込んでしまう可能性が、今後さらに高まるのです。

あなたがマイクロプラスチックを食べないという保証は、もうどこにもないのです。

 

 

 

 

今回は海ごみ問題に関して、より踏み込んだ内容としてマイクロプラスチックについてお話しました。

長々となりましたが、前編と併せて、「どうして海ごみがくるのか?どこからくるのか」 「私たちにどんな影響があるのか?」といったお話しができたかと思います。

この記事を読まれた方は、ぜひビーチに足を運んでください。

そして目で見て、想像してみてください。

 

「大小さまざまな海ごみが、広いビーチに無数に散らばっている現実」

 

「それを回収する最終的な有効手段は、人の力しか存在しない状況」

 

「それらがいずれ私たちの口の中に入り、影響を与えるかもしれない未来」

 

 

 

 

そしてそれらに気づき、「いま、自分に何が出来るのか」を考えてみてください。

 

私は、できれば皆さんにこの現実を身近な人に伝えてもらい、プラスチックの使う量を減らすことを意識してもらえると何よりの幸いだと思います。

そしていつか、たくさんの方々と一緒に、この問題について考えていければと思います。

 

「100年後もきれいな海を子どもたちへ」

 

みなさんのご協力を、ぜひともお待ちしています。

 


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