ツシマデミタモノ ―後編―

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前編で紹介した通りの「海ゴミ問題」を抱えている長崎県対馬市。

その海ゴミ問題に対し、陣頭指揮をとって活動されているのが「対馬CAPPA(かっぱ)」という団体です。

対馬CAPPA(また対馬市)は、「子どもが遊べる自然豊かな海岸」というビジョンを掲げ、日々活動されています。

高浜町が掲げるブルーフラッグのビジョン「100年後も美しい海を子どもたちに」ですし、『子どもたちのために海辺を守りたい!』という想いは同じですね。

 

この対馬CAPPAさん曰く、まだまだ課題だらけの海ゴミ問題。

年間2万㎥ものゴミが漂着するわけですが、このゴミを「取り除く」。

そして、「漂着させない」、もっと言うと「少しでもゴミが出ない世の中を」ということで活動されています。

その中で、もっとも重要にしていることが、「地域の方に認知してもらう」ということ。

当然、住民の方も海ゴミが漂着していることは知っているわけですが、人が立ち入らない(行けないような入り組んだ場所)にもたくさんのゴミが漂着しているわけで、「どれだけのゴミが流れ着き、そして、どれだけの影響を海に及ぼしているか」ということを知らない方が多い。

どうすれば少しでも現状を知ってもらえるか。興味をもってもらえるか。

ということで、作ったのがこちらです。

 

 

 

 

 

 

 

トランクミュージアムというかたちで、対馬市に流れ着いた海ゴミを集めて展示しています。

これらを対馬中の学校に持って行き、子どもたちに説明されているそうです。

そこで、海ゴミ問題に初めて気づく子どもたちも少なくないそうです。

 

ただし、ここでも大切にされていることが1つ。

この対馬の海ゴミ問題の話をすると、どうしても「被害者意識」が芽生えてしまうそうです。

なぜ、他の地域からのゴミに対して、対馬がこれほどまでの苦労をしないといけないのか、と。

そこで必ず忘れずに説明することが、対馬も「ゴミを生んでいる」ということ。

そして、そのゴミがどこか他の地域、国に漂着しているのだ、ということです。

単なる被害者意識では、海ゴミに対する問題意識の捉え方が大きく変わってしまいかねないですからね。

 

対馬CAPPAさんには多くの海岸を案内していただき、対馬の現状を教えていただきました。

市役所の担当者の方とも話をして、もっと多くの課題、具体的な施策も聞いてきました。(が、ここで記載すると単なる報告書になってしまうので割愛しますね)

 

 

 

 

 

今回の対馬視察において「見た・聞いた」ことで感じたことは、「高浜町、特にブルーフラッグを取得している若狭和田ビーチはすごいな」ということ。

なぜなら、この綺麗な海を守ろうという活動が「文化」として作りあげられているからです。

対馬では、この海ゴミ活動を「文化」にしようと取り組みされていますし、そこにまだまだ長い道のりがあるともお話しされていました。

しかし、高浜町、和田ビーチにはその文化がすでに根付いています。

だからこそ、非常に高い評価をうけてブルーフラッグ取得を更新し続けることができるのだと思います。

 

ですが、裏を返せば「ブルーフラッグ」という旗印がなくても、住民が一致団結して安心安全な海を守り続けることができるということ。

そういった文化がすでに作りあげられているということ。

 

『ネクストブルーフラッグ』

 

ブルーフラッグを更新し続けることで、若狭和田ビーチはどのように進化していくのか。

今後、どのような「文化」をうみだしていくのか。ということを考え、実行に移す段階だなと感じました。

 

最後に繰り返しになりますが、今回の視察で感じたことは高浜町、若狭和田にすでに根付いている文化は他の地域からすると「先進地」であり、誇りに感じました。

その上で、ブルーフラッグを更新し続けることで、高浜町の海辺をどう進化させていくのか。

高浜町の海辺のビジョンは次のステージに入っています!!

 

 

 

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