|  |  | 0

 

 

もっと幸せに子育てできる町を目指して。大人のウェルビーイングが、子育てのキーワード。

 

 

 

「子育てするなら高浜がいいよ」

 

そう自信を持って言える町を目指す高浜町。子育て世代包括支援センター「kurumu(くるむ)」を中心に、町で子育てをする人たちが、町で育っていく子どもたちが、幸せな毎日を過ごせるように様々な支援やサポートを行っています。

 

 

そんな高浜町が11月9日、高浜町Social Well-being Fes、4回目の学びのセッションとして選んだのは、【幸せセッション】「ワクワク子育てアップデート」と題した子育てがテーマのセッション。

 

ゲストとしてお呼びしたのは、もうおなじみのユニリーバ・ジャパンHD取締役人事総括本部長、マインドフルネスNLP®トレーナーの島田由香さん。高浜町教育長の釣本眞史さん、町の子育て支援チーム「kurumu」。

そして「幸福学」の第一人者である慶應義塾大学の前野隆司教授とその奥さまのマドカさんです。

 

 

 

 

 

 

▼子育ては、お父さん・お母さんが幸せであることが大事。知ってほしい「幸せになるための4つの因子」

 

 

セッションがはじまると、前野教授とマドカさんから、とても気になるワードが飛び出しました。それは、私たちに幸せを運んでくれる4つの因子。やってみよう・ありがとう・なんとかなる・ありのままの『幸せになるための4つの因子』です。

 

幸せとは英語に訳すと『Happy』ですが、この4つの因子が運んでくるのはWell-bing(ウェルビーイング)。それは、健康、精神、社会面などで、一過性ではなく持続的に幸せであること。この4つの因子を高めていくことで、長く続く幸福感が得られるのだそうです。

 

 

やってみよう因子(自主性・夢・目標・ワクワク・強み)

ワクワクを大事にして、目標を持って学習・成長しようと頑張ること。


 

ありがとう因子(感謝・利他・思いやり・つながり・親切)

人を喜ばせたり、愛情に満ちた関係(つながり)があること。


 

なんとかなる因子(前向き・楽観・ポジティブ・チャレンジ)

ポジティブにものごとをとらえて、失敗を恐れずチャレンジすること。


 

ありのままに因子(本来感・人と自分を比べない・自分軸)

人の目を気にせず、自分らしくいること。


 

子育てにおいても、自分たち(お父さん・お母さん・家族)が幸せであることがなにより大事。子どもを育てるんじゃなく、信じる。4つの因子を意識して幸せに生きている自分が育てた子どもを信じる。本来はそれだけでいいのだと前野夫妻はおっしゃいました。まさに目からウロコの発言でしたが、納得です。子どもは親を見て育つということですよね。

 

 

では、親であるお父さん・お母さんが幸せでいるために、幸せを感じられるように、地域ができる支援とはなんでしょう。その課題に向き合うために子育て世代包括支援センターkurumuの子育て支援チームから、取り組んでいる子育て支援についての紹介がありました。

 

 

 

 

 

お父さん、お母さんが幸せでいるために ~子育て世代包括支援センター「kurumu」の取り組み~

 

 

高浜町では、4年前から「子育て世代包括支援センター kurumu」をスタートし、妊娠期から子育て期までの切れ目のない相談・支援をワンストップで行っています。もっと幸せな子育てのために知恵や工夫を凝らしたサービスを行う、子育て世代のパートナーです。

 

地域ぐるみで行う横断的な子育て支援の活動が評価され、2019年のグッドデザイン賞、地域・コミュニティ部門も受賞しています。

 

 

赤ちゃんが生まれるって幸福なこと。でも、身体や心が疲れてしまうこともあります。「kurumu」では、幸せな子育てを目指して、特に「育児力を育む支援」「リスクが発生しやすい時期の支援」「子育てを支える地域づくり」など、様々な支援を行っています。

 

 

 

【育児力を育む支援】

 

巨大な遊具みたいな、小さな路地のような、そんなプレイルーム。木の匂いが心地いい空間です。親子が対話しやすいように程よく区切りを、運動能力や身体の成長のために段差もプラスする、こだわりの設計。親子だけでなく、妊娠・出産を控えた人たちも利用できて、専門スタッフによる面談や相談、育児講座や妊婦・産婦・乳幼児相談事業も充実させています。

 

▼安心して遊ぶことのできる kurumuのプレイルーム

 

また子育てプランの提案と作成をお手伝いする両親面接や、赤ちゃんの食器やおくるみ、肌着などのベビーギフトのプレゼントも。赤ちゃんと出会うのが、さらに楽しみになりますね。

 

 

▼ベビーギフトの一部 おくるみ、こぼしにくい食器

 

 

 

【リスクが発生しやすい時期の支援】

(生後4か月頃まで)

 

赤ちゃんのお世話で眠れない、休めないといった状況になりやすく、産後うつなどが起こりやすい時期。安心してリフレッシュできる時間が必要です。

 

kurumuでは、町内の民宿や旅館で保育士に相談したり、赤ちゃんをまかせてゆっくり食事や入浴を楽しんだり、お昼寝ができるよう産後デイケアサービスを行っています。高浜ならではのこのサービス、大変喜ばれ、大人気なのだとか。また、1~2歳児がいる家庭には、一時保育無料チケットを進呈。子育て中のリフレッシュは罪悪感を持ちやすいもの。でも、行政から一時保育の利用を推進されることで「お休みしてもいいんだ」「リフレッシュしていいんだ」と思えますよね。これは嬉しい気づかいだと思います。

 

 

▼民宿での産後ケアデイサービスの様子 詳しい記事はこちら

 

 

 

【子育てを支える地域づくり】

 

町内事業者へ「育ボス宣言」を働きかけ、育児と仕事を両立しやすい環境づくりを行っています。体調を崩しやすい子どもたち。お父さん、お母さんが職場へ気兼ねなく早退やお休みのお願いができる、生き生きと仕事ができるための活動です。さらに社会福祉協議会、婦人福祉会、シルバー人材センター等による地域での子育てサポートの仕組みづくりにも尽力しています。地域みんなで子育てをする、kurumuスタイルのケアですね。

 

 

kurumuの活動は、この地域で子育てをしたいと思う親の割合や妊娠・出産について満足している親の割合、育てにくさを感じたときに対処できる親の割合が高まるなど、様々な面で徐々に良い成果を見せてきていました。kurumuの存在が町へ浸透し、利用され、満足度も高い。その分、リスクが高い時期の手前から予防的な対応もできるようになりました。

 

 

けれど、近年、新型コロナの流行により、kurumuがお父さんやお母さんとのつながりも希薄に。不測の事態にも負けず、幸せに子育てしてもらうためには、親の育児力そのものを高める支援が必要です。それを今後の課題として、kurumuができること、その役割を模索していきたいと子育て支援チームから言葉がありました。kurumuの想いは本当に深い!こんな近くに親身になって考えてくれる人たちがいる。そんな心強さを感じさせてくれることが、1番の支援となっているかもしれませんね。

 

次に高浜町教育長の釣本さんから、教育委員会が行っている取り組みについて紹介がありました。

 

 

 

 

 

▼先生たちが幸せでいるために ~高浜町教育委員会の取り組み~

 

 

学校という学び舎で、子どもたちのすべてに向き合ってくれているのが先生方。授業や部活動の時間以外でも、その準備や採点などの業務、行事があれば準備に会議と、やることが山積みです。毎日、とても忙しく過ごされています。

 

 

 

高浜町では今までも、忙しすぎる先生たちの現状をクリアするため、ノー残業デーやタイムカードの導入など、先生たち自身が働き方を見直せるようなシステムをつくってきましたが、熱心な先生たちも多く、あまり改善されませんでした。

 

そこで新しく取り入れられたのが「高浜型カリキュラムプラン」です。これは先生と子どもたち、それぞれが時間のゆとり、気持ちの余裕が持てるように考えられたカリキュラムプランで、なんと県内初の取り組み。

 

 

▼高浜型カリキュラムプラン

  

 

1週間のうち2日間の下校時間を早め、逆に夏休みを一週間程度短くすることで、学業を遅らせることなく、ゆとりのある日々を送れるように調整しました。毎日の学校活動にメリハリができることで学びの質もアップ。帰宅時間を早めることで安心・安全といった部分も向上しました。

 

 

このカリキュラムプランが導入され、少しずつではありますが、先生からも余裕がもてるようになったと声があがっているそうです。また、下校時間が早い日は放課後に外で思いっきり遊べるなど、子どもたちにも良い影響を与えているよう。嬉しい成果があがっています。

 

 

子どもたちが学校へ行っている間、一番近くで成長をみていてくれる先生たち。ゆとりのある、幸せな毎日を過ごしてほしいですよね。高浜型カリキュラムプランが先生たちのウェルビーイングのカギになればいいなと思います。

 

 

 

高浜町の教育施策をご紹介 詳しい記事はこちら

 

 

 

 

▼子育ては鏡のようなもの。自分も大切に、自分も育とう。

 

 

幸せな子どもに育ってほしい。これは、すべての親の願いだと思いますが、今回のセッションに参加して、まずは自分のウェルビーイングを意識することも大切なんだと思いました。島田さんは「子育て」じゃなくて「己育て」と考えるようにしているとおっしゃっていましたよ。

 

 

ウェルビーイングって、理想の幸せ像に近づくってことじゃない。ポジティブでいる必要もない。ネガティブだって大切な感情なんだそうです。そんな感情も受け止めて、たまに「なぜ怒っているのか」「〇〇だから悲しいんだな」「私は〇〇したかったんだ」って、自分を俯瞰で見る。自分で自分のニーズに気づいてあげる。そんな簡単なことを習慣づけるといいみたいです。幸せになろうと無理に頑張れば、理想に届かない自分に対して不幸な気分になってしまう。それでは意味がないですもんね。

 

 

子育て世代包括支援センター「kurumu」が行っているお父さんやお母さんへの支援やサービス。教育現場での先生たちのケアや問題改善。それは、すべて子どもたちと触れ合う町の大人たちが笑顔になるためのサポートです。地域と一緒に、大人と一緒に、すくすくと大きくなる子どもたち。このセッションでたくさんの話を聞いて、私も「子育てするなら高浜がいいよ」と言いたくなる気持ちになりました。

 

●kurumuのHPはこちら

コメントを残す