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地域を盛り上げる子どもたちの力

中学生が案内する「砕導山城跡探訪ツアー」

 

 

 

地域のために頑張る子どもたちを紹介するシリーズ。今回は町の魅力を探し、発信する中学生をご紹介します。

 

 

この日やって来たのは、佐伎治神社。「砕導山(さいちやま)城跡」の魅力発信に取り組む高浜中学校の2年生20人のグループが小学生に向けたガイドに挑戦します。

 

 

ところで、みなさん。高浜に「砕導山城」というお城があったことを知っていましたか?

 

 

▼逸見昌経像(城山公園)

 

私はつい最近知りました…。(汗)高浜町内でも知名度は高くないそうですが、なんと山城跡としては県内最大規模。戦国時代に高浜の領主として活躍した武将「逸見昌経」が築いたとされています。「城」と言っても、天守閣のある立派なお城ではなく、様々な罠や、戦う為の工夫が施された原始的な「山城」だったそうです。(高浜町のお殿様「逸見昌経」についてはまた別の機会に詳しくお伝えしますね。)

 

 

砕導山城跡は、佐伎治神社のすぐ脇から、背後の山全体に広がっています。兵士の見張り所や建物の構築に使われた「曲輪(くるわ)」と呼ばれる平坦な場所や、「土橋(どばし)」や「堀切(ほりきり)」などの遺構も多くあり、進んでいくと美しい高浜の町並みを一望できると言います。

 

 

▼曲輪(くるわ)段々になっている。

 

『故郷に埋もれた山城の歴史を発掘し、多くの人に知ってもらいたい』と、砕導山城跡保存会を中心に、散策ルートの整備や情報発信が進められてきました。さらには『若い世代にも山城に関心を持ってもらえたら』と、中学生を巻き込んだ取り組みが始まりました。

 

 

▼砕導山城跡保存会会長 粟野さん

 

高浜中学校の生徒たちは、総合的な学習の一環として、1年生の時に散策ルートの看板制作や、補助ロープの設置などを行いました。

 

 

▼中学生作の手書き看板

 

そして2年生になった後も、生徒20人が山城跡の魅力発信をテーマに、グループで探究学習を実施。自分たちで砕導山城のガイドができるようにと、準備を進めてきたそうです。

 

 

そしてこの日、ようやく探訪ツアーが実現しました。天気は最高。大河ドラマの壮大なBGMが流れる中「砕導山城跡探訪ツアー」スタート!

 

 

早速、散策ルートの入口でイラストを交えた説明がありました。

 

 

中学生たちは「小学生やお客さんにどうやったら楽しんでもらえるか?」「説明ばっかりじゃ飽きてしまうし、わかりやすくイラストを交えたらどうだろう?」などと、いろいろ試行錯誤したそうです。

 

 

小学生に質問したり、回答が無い時は、付き添いの中学生がフォローしたりと、生徒達の連携も完璧!付き添いさんは「なるほど!へぇ〜!」とリアクションまで練習済み(笑)すごく微笑ましかったです。

 

 

進んで行くと、ポイントごとに中学生が待機していて、工夫を凝らした解説をしてくれます。上から槍でついたり、石を落としたり…。当時を再現してもらうと、原始的な戦いだったことがよくわかります。

 

 

山城の専門用語など、難しい言葉も多いですが、中学生らしい言葉に訳されて、図や絵で解説されると、ものすごく分かり易い。

 

 

小学生たちも真剣に聞いていました。ある中学生が「高浜町にはこんな魅力的な場所があるよって小学生にも知ってもらって、地域に貢献できる取り組みを受け継いで欲しい」と言っていました。高中生(たかちゅうせい)…私の後輩。凄すぎるよ!誇りだよ!!

 

 

天王山曲輪(てんのうざんくるわ)から見える明鏡洞。砕導山城が落ちた後、逸見昌経が「高浜城」を築いた場所です。現在は城山公園として親しまれています。こちらの方が高浜では有名ですよね。

 

 

山の尾根伝いに歩いて行きます。

そして、私がこのツアーで特に感動したのがここ。「堀切(ほりきり)」の寸劇です。敵の足軽が下から攻めますが、

 

 

上から岩を落とされて、登ることができません。

 

 

敵の足軽は斜面を転げ落ちて行きました。

 

 

足軽〜!「アンコール!アンコール!」とコールがかかり、ドロドロになりながら何度も坂を転げ落ちていました。これは本当に拍手でした!

 

 

そして本丸と考えられている千丈ケ嶽山曲輪(せんじょうがたけくるわ)を越え、

 

 

愛宕神社曲輪(あたごじんじゃくるわ)に到着。

 

 

うわさ通り、素晴らしい景色でした。

 

 

そして無事下山。盛りだくさんの内容でした…。最後に今日の感想を発表。小学生からは「武士がどういう動きで敵を倒していたか、劇などで解説してくれて、とてもわかりやすくて面白かったです。」と、中学生に感謝の気持ちを。

 

 

中学生からは「活気あるまちづくり・地域貢献を頑張りたい。」「町内外の人、外国人にも砕導山城の魅力を知ってもらうために、もっと情報発信していきたい。」など、心強い言葉が聞けました。

 

 

登城記念として、中学生手作りの御城印もいただきました。

 

 

今回の砕導山城跡探訪ツアー、何もかもレベルが高すぎて驚きました…。自分達の地域について調べ、魅力を発見して、人に伝えることをここまでカタチにできるなんて。

 

 

そして何より驚いたのが、中学生の口から「地域貢献」「SDGs」「活気ある町に」など、未来に向けた言葉がたくさん聞けたことです。高浜中学校の探究学習では、砕導山城跡探訪ツアーの他にも、様々な人や団体と関わりを持ちながら、商品開発や空き家の課題解決、ゴミ削減プログラミングなど地域課題と向き合い、学習を展開しているそう。今後の中学生の活躍に注目ですね。

 

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