2017年、夏。
若狭和田海水浴場に「青と白」を基調とした一際目立つ海の家がオープンした。
多くのメディアに取り上げられたので、ご存知の方も多いのではないだろうか。
高浜町では、海水浴場に立ち並ぶ海の家のことを「浜茶屋」と呼ぶ。
その名の通り「ビーチの茶屋」であり、これまで高浜町の海水浴場を支えてきた主役といっても過言ではない。浜茶屋で過ごす時間こそ海水浴の醍醐味であり、「あぁ〜海水浴に来たな」と実感できる。
しかし、昭和50年頃をピークに海水浴におとずれる観光客は減少を続けている。
観光客減少にはさまざまな要因が考えられるが、若狭和田海水浴場の絶対的な魅力が失われたわけではない。
そこで、若狭和田海水浴場の魅力に誇りと自信を持つ地元の住民の方々が、この魅力をなんとか多くの方に。そして、何よりもこの魅力ある海を次世代の子ども達に残したい。
そういった強い想いと努力で、若狭和田海水浴場を「世界レベル」におしあげたのが『ブルーフラッグ認証の取得』である。
(ブルーフラッグについてはこちらをご覧ください)
ただ、若狭和田海水浴場が世界レベルと認められた一方で、町や地域住民が期待する以上のものが得られたかというと必ずしもそうではない。
ビーチの環境保全、安心・安全に楽しめる場の提供、地元での環境教育など素晴らしい活動をしていることは事実ではあるが、そこには現代の海水浴客やマリンアクティビティを楽しむ人たちに「行きたい!」と思わせるものが足りないのである。
若狭和田海水浴場における地域活動や、シンプルに「美しい」という魅力は認められているのだから、そこにプラスαがあれば、いやコレがあるから若狭和田海水浴場に行きたいのだというくらいのモノやサービスを作り出す必要があるのだ。
そこに気づいた高浜町の声がけによって作り上げられたのが、前述の「青と白」を基調とした海の家である。この海の家の存在は知っていたけど、誰がつくったのか。運営していたのか。そこまで知っている人は少ないのではないだろうか。
海の家全体のデザイン・設計・運営をメインで行っていたのが、建築設計事務所「ジオ~グラフィック・デザイン・ラボ(GGDL)」の前田茂樹さん。
前田さんは大阪工業大学で建築学科の准教授もされているということで、前田研究室(ゼミ)の大学生を中心に関西の建築学科の多くの大学生が、海の家の建築〜運営の実行部隊として参加してくれた。
2人目に海の家のメニュー開発を中心に、お店全体のプロデュースを手掛けてくれた料理開拓人・堀田裕介さん。「食べることは生きること、生きることは暮らすこと」をモットーに都市と地域の架け橋として、生産者と生活者をつなぐ活動をされている。
そして、3人目にディレクションや店内のグラフィックデザイン、広報などを手がけてくれたUMA /design farmの原田祐馬さん。多方面にわたるデザイン分野で活動し全国各地で活躍している。そのほかに京都芸術造形大学でも教壇に立つ。
このお三方を中心に多くの方が何度も何度も高浜に足を運び、つくりあげた海の家。
高浜町に根付く「浜茶屋」という海で過ごす最高の時間を、もっとオシャレに。高浜町で新たな海の過ごし方を。
海の家「NEW BEACH TIME」の誕生である。
(NEW BEACH TIMEについてはコチラをご覧ください)
しかし、一夏のイベントで終わったわけではない。高浜町の魅力、可能性を知った「チームNEW BEACH TIME」からさまざまなプロジェクトが動こうとしている。
続く。
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