WAAcation WEEK オンラインセッション2日目。
今注目されるワーケーションは、ワーク(仕事)×バケーション(休暇)の造語で、会社や都会を離れ地域で仕事を行うスタイルのこと。全国500以上の地域で取り組まれています。高浜町では、このワーケーションを、「WAA(Work from Anywhere and Anytime)いつでもどこでも仕事ができる働き方」と、地域での社会貢献活動も含むVacation(バケーション)を掛け合わせた『WAAcation(高浜版ワーケーション)』として取り組んでいきます。
9月からワーケーションの受け入れを再開する予定でしたが、県内での新型コロナ感染症拡大を受け、10月まで延期。9月はオンラインのみのセッションを行いました。
WAAcationは、訪れる側にだけ利点があるのではなく、受け入れる町にも「通年型の新たな観光スタイルの創出」「地域オフィス誘致」、そして「地域以外の多様な人との出会いや共創のチャンス」を得るという利点があります。今回のセッションは、オンラインという、どこからでも多様な人が参加できる利点を最大化し、高浜町の魅力をとことん紹介するとともに、高浜人と働き方に関心が高い人とのつながりを創り、次のアクションを双方向で目指すきっかけになればと企画しました。
9月18日 18:30 ~ 21:00
オンラインセッション第2回 テーマは「WAA!・ワーケーション~withコロナ時代は地域がKEY~」
【 ゲストのご紹介 】
本田 勝之助さん(Katsunosuke Honda)
本田屋本店 有限会社 代表取締役社長(日本遺産統括プロデューサー)。
伝統産業や農業・食、観光、IoT活用による地域多領域の振興、都市ブランド戦略など自らプレーヤーとして実践しつつプロデューサーとして多くの地域支援を行っている。全国の原発立地地域約20地域、67地域以上の日本遺産認定地域の統括プロデューサーとして、担当プロデューサーやクリエイター、コンサルタントなどをプロジェクトチームとしてまとめて事業推進している。総務省地域再生マネージャー、内閣府地域活性化伝道師。
浅野 容子さん(Yoko Asano)
高浜町出身。大学卒業と同時にドイツに渡り、パナソニックドイツに8年、その後グッチ、ソニーヨーロッパで社長秘書として働いた後、2016年にスイスの大学にてMBAを取得。現在はドイツのIT企業の日本駐在員としてリモートワークをする傍ら、高浜町のまちなか交流館を拠点に、ICTの普及、それを活用した人材育成、まちづくり活動に取り組んでいる。
2年限定の帰国が、生活の場としてだけでなく、働く場としての高浜町の魅力に気づき、滞在を延長し現在に至る。場所と時間を選べるリモートワークという働き方を提唱することで、高浜町の「まちづくり」と「ひとづくり」に貢献中。
小口 彩子さん(Ayako Oguchi)
高浜町出身。SDGsカードゲームファシリテーター。
高浜町初代町長:湯浅銀次郎氏の孫 ゆえに高浜町「愛」が人一倍強い。東京にて大学卒業後、都銀の日本橋支店にて融資業務に携わる。地下鉄サリン事件が通勤していた駅で起きたり、同年に起きた阪神淡路大震災を機に人生観が変わる。結婚を機に高浜町に戻り、2001年よりオグチ社会保険労務士事務所代表を務める傍ら2009年グロービス経営大学院大学にてMBA取得。さらに、大学院時代のメンバーと共に東京・品川と高浜町を拠点にした会社を設立し、東京・高浜町でテレワーク拠点3か所(高浜町内2か所)で会社を経営し約10年になる。「東京で地域を発信する」をテーマに活動中。
【 モデレーター 】
島田 由香さん(Yuka Shimada)
ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 取締役 人事総務本部長。1996年慶応義塾大学卒業後、株式会社パソナ入社。2002年米国ニューヨーク州コロンビア大学大学院にて組織心理学修士取得、日本GEにて人事マネジャーを経験。2008年ユニリーバ入社後、R&D、マーケティング、営業部門のHRパートナー、リーダーシップ開発マネジャー、HRダイレクターを経て2013年4月取締役人事本部長就任。その後2014年4月取締役人事総務本部長就任、現在に至る。学生時代からモチベーションに関心を持ち、キャリアは一貫して人・組織にかかわる。日本の人事部「HRアワード2016」個人の部・最優秀賞、「国際女性デー|HAPPY WOMAN AWARD 2019 for SDGs」受賞。米国NLP協会マスタープラクティショナー、マインドフルネスNLP®トレーナー。
【 本 編 】
今回のモデレーターは島田さん。セッションを引っ張っていってくれます。まずは島田さんからTeam WAA!のご紹介。
島田:
「まずはね、Team WAA!とは何か、少しご説明させていただきたいと思います。
Team WAA!とはコミュニティです。職業もステイタスもライフスタイルも違う、本当にいろいろな人が集まっているコミュニティです。でもみんなWAA!という働き方、もしくはWAA!のスピリット、いつでもどこでも働ける、大事なのはアウトプットだという考えに共感しているという共通点があります。このコンセプトをユニリーバで正式に制度としてスタートしたのは、2016年の7月です。もう4年前になりますね。いまでは、本当にたくさんの人に共感や賛同をしてもらっています。人数の多さは特に問題じゃない。けれど、もっとこのスピリットがどんどん広がっていけばいいなと思っています。
とにかくHAPPYであること。HAPPYに!じゃなくて、HAPPYで!あること。すべての人に幸せですかと聞いたら、はーい!と答えてもらえるような世界にしていきたい。そして自分の人生を生きていますかという問いにもYESで答えられるようになっていってほしい。心の底から、喜びとともに即答できる。そんな人がいっぱいの社会をつくっていきたい。そんな気持ちから毎月チャットやセッションをずっと行ってきています。」
▼TeamWAA!がセッションを続ける理由
島田:
「まずは、これ。わーって感激してWAA!を広めていってほしい。自分が考えたことだったり、感じたことだったり、わーって思ったことをわーっと広めていってほしいんですね。WAA!は、うれしい驚きがあったときの「わーっ」っていう声や感情、そしてその広がりという意味も込めて名付けているんですよ。そして、たとえ一人で参加していても、これからはひとりじゃない。参加しているみんなで考えられる。だからチームの力で課題解決ができるんです。想いの共有ってオンラインでも同じです。隣に座って話し合うことができなくても共有はできる。
私がいつも皆さんにお伝えしているブランドルールがいくつかあるんですね。楽しむこと。そしてシェアしていくこと。疑問でもいいです。そして今までに得てきたこと、うれしいかったこと、どんなことでもいいです。どんどんシェアをしていってほしい。人生っていうのは、4つの“き”をみつけにいく旅だと思っているんですね。まず『元気』。元気じゃないと何もできませんからね。そして『刺激』。今日のこのセッションだって刺激。その刺激を今度は『気づき』に変えていく。個性や自分の色なんかをどんどん気づきにのせていってください。その結果、あなたの『本気』がより見えてくるんじゃないかな。そして最後に機密保持。いろんなシェアをしていくので、どうぞ皆さん、守っていってほしいです。」
▼地域deWAA!につながった
島田:
「どこで仕事してもいいのだったら、これって地方でもいいんじゃないか。地域創生とすごく親密なことになるんじゃないか。空き家とか廃校とか、どんなところでもいい。Wi-Fiさえ準備してもらえば、それだけでできる。どんどん地域に行って仕事できれば、行った先の課題を、地元の人との連携で解決していくことができるんじゃないかと。それに気づいてはじまったのが地域deWAA!です。いまや、国でもワーケーションに注目している。ワーケーションバブルが起こっているんです。ワーケーションって生産性があがるのかという疑問がよくあがってしまうんですけど、私は声を大にして言いたい。ワーケーションによりポジティブ感情というものがあがる、それが免疫やパフォーマンスなどの向上に関係しているということがすでに分かっている。そういった部分についても、今日は皆さんとお話できたらと思っています。」
▼それぞれの視点、それぞれの考え、それぞれの想い
次はゲストの自己紹介。皆さん、ひとりひとりが抱いている高浜への想いや正直な考えなども話してくれました。
本田:
「僕自身、もともとは実家が会津の青果問屋。いまは日本遺産のことやクールジャパンなんかにも関わりを持たせてもらっています。コンサルタントとしての活動も、自分自身地域に住んで、同じようにリスクも背負って、会津で事業をしてというスタイルでやらせてもらっています。ITの会社をやって、会津若松のスマートシティ化を進めたり、地元ではプレイヤーとしても活動しています。僕は本業としては地域コンサルタントなので、地域経営をメインにやっています。商品の開発とかそれを使う施設のプロデュースとか。地域が良くなるための協力者とつなげていくような活動もやっています。
日本の芸能を知らないじゃ良くないってので、実は「能」も長く習っているんですよ。地域ブランディングって売れる商品とか観光客を呼ぶ商品だけじゃなくて、他の地域にない、ここだけの強みを打ち出さないとダメ。高浜でも、どこを引き上げたら高浜の良さが出るか、良さが多くの人に伝わるか、それを見つけて来てさえもらえれば、もっと魅力をわかってもらえると思う。」
本田さんは、以前につくられた高浜でのグランピングと体験された方が、高浜へのラブレターと題し、高浜について語ってくれる動画を見せてくれました。「いい意味で町が保存されている」と高い評価を贈られると、あらためて誇らしい気分になります。動画に出演いただいたのは、各界の著名人ばかり。誰が評価しているのかという部分も、町の良さを発信するための大切なポイントなのですね。
浅野:
「私は高浜町生まれ、高浜町育ち。京都の大学を卒業後、ドイツに17年住んでいました。そして3年前に日本に戻ってきたんですね。今もリモートワーカーとして、ドイツの会社に在籍しているんですよ。今までいろいろなセッションに参加してきているのですが、本当に地域の声を聞けるセッションってあまりなかったんです。なので、今日はワーケーションというものを地域目線からお話できたらなと思っています。
高浜ってリモートワークにすごく向いている。私が福井県をワーケーションにオススメしたいって思うポイントをお話しますね。まず、今年も幸福度No,1地域で、小・中学校の学力テスト、体力テストが近年トップ3に入っているってこと。子育てするには本当にいいところだと思う。高浜町は福井の端の町なんですが、なんと福井県全体の3分の1のコワーキングスペースがあるんですよ。これはすごいことだなぁって。ワーケーションに向いている地域のキーワードって、3つ挙げると温泉、自然、食らしいんです。でも、豊かな自然とWi-Fi環境とかコワーキングスペースって、実は珍しい組み合わせ。自然と画期的なものですから。でも高浜はどちらもあります。これから、どんな人にもワーケーションに来てもらえるようにもっと受け入れを強化していかないとなと感じています。生活の質をあげていきたい。ドイツと比べると、やっぱり日本は働き方が違う。いま、みんながICTを使って便利に生活できるように活動もしています。」
小口:
「18歳のときに東京に行って、その後銀行員になったんですが、帰省したときにあらためて高浜っていいなって感じて。それで高浜に戻って社会保険労務士になったんです。さらに、いまは株式会社Hanbitという会社で高浜と東京に拠点をおいて、東京の人と一緒にネット通販事業をしています。さらに、さらに実家のユアサ商事もやっています。なぜ、こんなにパラレルキャリアができたのかというと、通勤時間が少ないことが一番かなと。地域って暮らしと仕事が同じ空間にあることが多い。だから関係性も深めやすい。移住者の方が来ても、つながりがなければ、何も生まれないんじゃないかなと感じています。
それで、つながりを作るコワーキングスペースをつくるためのクラウドファンディングをはじめたんですが、私はこの場所を一緒になにかを生み出す場「コクリエイション」として考えています。なぜクラウドファンディングにしたかというと、多くの人が応援してくれる、たくさんの人とつながれると思ったからです。自分の曽祖父が学校設立とか奨学金設立に尽力した湯浅勘兵衛という人で、祖父が初代町長の湯浅銀次郎という人なんですけど、その子孫である私も高浜をサスティナブルな町にしていきたいと、すごく思っています。」
ここでブレイクアウト、ゲストと参加者をランダムにチーム分け。参加者の皆さんがゲストの話を聞いてどう思ったか、どんなことを感じたか、それを少人数で話し合い、15分後にまたセッションの場で、みんなの意見をディスカッションできたらと島田さんから提案が。後半のセッションがさらに充実しますね。
▼熱量が高い!それも高浜の特徴
本田:
「いろんな地域に行って、いろんな人と話すのだけど、高浜の人ってほんと熱量が高い。常に熱量がトップギアに入ってるような気がする。なんでなんだろう。」
浅野:
「質問の答えとちょっと違うかもなんですけど、私たちって、つくりあげた高浜町を見てもらってもあまりテンションがあがらない。日常と非日常ってのがあって、非日常を求めてくる人に日常をちゃんと見せていきたい。観光としても、あまり脚色というか、過大に表現してしまうことはどうなのかなって町民たちの意見としてもあって。例えば、福井県の湘南として高浜を紹介しますって言われたことがあるんですけど、それを聞いたときに町民は?そして東京の人はどう思うのかなってすごく興味があったんです。ワーケーションって観光とはちょっと違って、もしかしたら飾った高浜町をみせなくてもいいのかもしれない。じゃあ、いつものままの高浜をみせればいいのか?その上手な線引きがわからないんです。外部からの評価とかは本当にありがたい。でも、場合によっては、本来主役であるはずの町民が置いてけぼりになっちゃってることもあって。プロフェッショナルなアドバイスと町民の気持ちがうまく融合できたら、すごくいいアピールができるんじゃないかと思うんです。」
本田:
「ほら、めっちゃ熱いでしょ。うん、言うことはわかります。高浜の魅力って一色じゃないって思っていて、人によって紹介したい場所も変わってくる。誰に高浜を案内するかによって変わるんだよね。僕はメディアに高浜を紹介したい。メディアを通じて、少しでも高浜を知ってもらうきっかけにしたい。でも確かにね、地元の人の意見ってのは抜けちゃいけない。中心がない、ドーナツになっちゃっても意味がないですからね。」
島田:
「意見とか想いがあっても言っちゃいけないとか、言いにくいとか思っちゃう人も多いと思う。それがオープンに言ってくれるっていうのは、すごく良いことだと思う。なんのためにやるのか、誰のためにやるのか、本当はどうするのがいいことなのかなってすごく考えます。」
▼パブリックリレーションからパーソナルリレーションへ
本田:
「どんな人とつながっていきたいか、明確にしていくのがいいね。議論したりして。それ自体がPRになる。もうPRとはパブリックリレーションからパーソナルリレーションの時代に変わってきているよね。
浅野:
「じゃあ、これからどうしたらいいのか、というお話を聞きたいです。今日も漁師のおじさんと話していて、いま漁師が50人しかおらん、このままではもうすぐ衰退やと。じゃあ、何をするべきだろうか。後継者がいない、魚が獲れない。そこで養殖をするのか、水温を下げる活動をするのか、これをみんなで考えたいって思っています。でも、こうやって出てきた意見や気持ちをどうやって本田さんや島田さんに届けたらいいのか。ここの仕組みづくりができたら、もっと自信を持ってみんなが取り組めると思うんです。都会がいいとされていた時代から田舎がいいって時代になってきて、地方にはチャンスのとき。このときに町民の意見を行政とかが吸い取って、みんなで盛りあげられたらなと思っています。理想論ですけどね。」
本田:
「高浜には本当にいい魚が揚がる。でも漁は減っているんですよね。若い漁師さんにどうしたいの?って聞いたことがあるんですけど、自分が獲った魚をいいお店で扱ってもらえたら、素直に嬉しいって。使ってくれる人がちゃんと顔が見えるようなことがしたいって。今までにいろいろなチャレンジをしてきたから、それで失敗もしてきたから、新しいことに踏み込むのに積極的になれない。でも、高浜って本当に美味しい魚が揚がるんですよ。だから、皆さんができるだけ漁師さんに会いにいって、漁師さんの獲った魚を食べて、美味しい!って伝えてもらいたい。それが動くためのパワーになる。」
小口:
「私はおもてなしをしなきゃいけないとかは正直思ってなくて、たぶんこの先こうやってオンラインで知り合う人って増えてくると思うんです。島田さんとかもオンラインでしか知らないけど、実際に会いたくなるじゃないですか。こうやって、会いたいなって思った人とつながるっていうことだけでいいんじゃないかと。Wi-Fiがないと仕事ができないという考えも捨てちゃって、ないならないでポケットWi-Fi使えばいいか!みたいな感じで、ただつながっていければインスピレーションも生まれるし。実際にうちの会社に来る人にも近所の民宿に泊まってもらって、気さくにワイワイしながら仕事してもらって、それで楽しかったよって言ってもらえる。こういう人がどんどん増えてくれば、こっちもすごく楽しい。」
島田:
「浅野さんは海外からの視点っていうものでお話してくれたんですけど、ちょうど私もさっきのブレイクアウトのときに『海外から見た日本』の観点から見たPRの大切さみたいな話を(参加者A)さんとしていたんですよ。ちょっとお話してもらってもいいですか?」
参加者Aさん(ロンドンから):
「いまロンドンから参加しています。海外からみたときの日本、とくに今のコロナ禍においての日本っていうのは、とてもミステリアスで、いい意味ですごく注目されています。これから市街から地方へ価値が移っていくなかで、どうやってPRしたらいいのか。私は先ほどから地元の方の意見を聞くというのはとても大切だなと感じています。でも、雪国の人たちはみんな雪が大好きなわけではない。でも他の地域から来た人にとってはかまくらひとつに『すごい!』って感動する。このへんのギャップってあると思うんです。外から見たからこそ気づく魅力ってあると思う。いま、このコロナ禍において、日本の文化っていうのも注目されていて、ハグじゃなくておじぎをする。この文化そのものが、すでにソーシャルディスタンス。距離をとりながら、つながれる、思いあえるという文化がすごくPRになっています。」
▼環境教育のレベルが高い、意識が高い
浅野:
「あの、ちょうどいま、イギリスから7カ月間、この高浜町を研究しに来ている人がいて、ちょっとお話してもらっていいですか?」
参加者Bさん:
「高浜町のなにが素晴らしいかというと、人が素晴らしい。文化とか伝統とかをものすごく大切にする。高浜の良いところってあまりに当たり前すぎて、逆に見えていないというところもあると思います。私も漁師さんと話したりしますが、第一次産業に関わる人たちって、ずっと日本の食を支えてきた人たちだけど、いまグローバル市場なんかに飲まれてしまっている。価格競争とかに巻き込まれると勝てない。でも個人個人でいろんなことを考えて、向上心もすごくあって、知識もあり、素晴らしい。地元の社会制度のなかに根付いている、無意識に守っている価値観。たとえば、個々で違いはありますが、海、環境資源を守ろうという意識がすごく強いと思います。生活に利用すると同時に守ろうと。保守的ともいえますが、文化を守ろうという意識が強いのはすごいと思います。」
本田:
「高浜って子どもたちがちゃんと海の教育を受けているんですよ。ブルーフラッグっていう海の環境認証をアジアではじめて取ったのが高浜なんですね。クリアする項目が本当にたくさんあって、海の環境教育って項目もある。高浜は昔から浜辺のゴミ拾いとかもやってて、そういうのを地元のライフセーバーが中心になって教える教育をしているんですよね。そのライフセーバー自身も、この子どもたちへの意識の高さとか海の美しさにほれ込んで、他から移住してきてる。すごいビーチ教育のレベルが高い。」
島田:
「さっき浅野さんからも子育てについて高浜の魅力を話してもらったけど、この環境教育のこともそうだし、すごいことだと思う。これをすごい!と感じるのは、私が住んでいるところにはないことだからだと思う。いまもう仕事はどこででもできるってことがわかってきたわけだから、この先にみんな移住ってことを具体的に考えてきたときに子育てって、すごく重要。じゃあ、高浜ってすっごい場所になるんじゃない?って思う。こういうことが知られていくことはとても良いことだと思う。あまりに多くの人が押し寄せてきちゃったら、それはそれでってところもあるのかもしれないけど。でも伝えていきたいですよね。」
▼町のP R、スタートポイントとキーマン
ここで参加者の方から質問があがりました。
参加者Cさん:
「私はいま東京に住んでいて、北海道にふるさとがあるのですが、帰省すると驚くくらい寂しくなっていて。役所の方もちょっとのんびりしちゃっていて。それが魅力でもあるし、騒がしすぎるのはどうかとは思うのですが、どうにかもう少し盛り上がらないかなと。高浜には何か仕掛け人みたいな人がいたとか、何かきっかけとかがあったんでしょうか。」
島田:
「いま高浜が発信できているのは、地元の方や行政、関わってる本田さんとか、いろいろあると思うんですけど、スタートポイント、きっかけの種みたいなものって?」
本田:
「高浜ってすごい昔から町のことを考えて、議論を繰り返してきている。すでに何年も前にトライしたことがあるってことが、実はとても未来的だったりするんです。そんなことやってたの?って驚く。たとえば青葉山のハーブでホリスティック療法とか。これって、まさにこれからってものでしょ。だいたい10~15年前くらいに考えてるんです、高浜って。ただ、タイミングっていうのがありますからね。上手な出し方っていうか。でも、未来的なことを、ずっと町で温めてきたっていう高浜のポテンシャルは高いよ。」
小口:
「PR、発信のキーパーソンってやっぱり役場の野村さんだと思う。ふるさと納税のふるさとチョイスの方と話したときに、その方も地域を盛りあげようと働きかけるんだけど、役場の、行政の方に熱量が足りないと。高浜には熱量のある野村さんがいる。これってすごく強みだなって思って。」
島田:
「本当にそうだよね!」
▼アーティスト気質、高浜人に会いにきて
野村:
「高浜町総合政策課の野村です。今日ずっと聞かせてもらって、皆さん熱量が高いと言っていただいていますよね。確かに役場内にはもちろん、それぞれ、どの分野にも熱量の高い人がいるなと感じています。なぜかなって考えると、高浜って昔からイベントをやっている。伝統的なイベントもあるし、自分たちでつくりあげるイベントも。アーティスト気質が高いって思うんです。だからこそ、こだわりも強いし、熱量もあるし。表現することが好きだったり、すごくシャイだけど信念を持っていたり。僕がはじめて高浜で提案したイベントが『漁火想』っていうものなんです。住民みんなでつくる手作りのイベントをはじめませんか?って。昔からイベントやってきたから、みんなテント張れたり、機材設置とかまでできちゃう。イベントから町のPRができたらいいなって。
僕がこのオンラインウィークの企画を組んだ大きな理由のひとつが、僕や行政を介さない人と人のつながりが、それができるようになるのではないかっていうのがありまして。たとえ僕が関わらなくてもいろいろな発信ができたら、ずっとずっとすごくいいと思うので。」
本田:
「角谷さんって書家が高浜にいて、墨流しっていう水に色を垂らして、海から吹く風がつくる模様を紙にうつして、そこに書を書くっていう独自の作品をつくったりしているんですね。いまの漁火想の字とか、町のいろいろなところに彼の書があるんですよ。そんなアーティストが彼だけじゃなく、高浜にはたくさんいる。あと、高浜の男性陣って部活動的なノリで先輩のいうことを聞く。上の人が下の人の面倒をちゃんとみるんですよ。本当に親身に相談にのる。いいカタチのチームワークができあがっているんです。だからこそ完成度の高いイベントが出来上がるんですよね。」
島田:
「高浜のいいところは、いっぱい出てきたけど、やっぱり一番は自分で体験することだと思う。このセッションは、続けていきたいよね。今日聞いてくれた人にも思うところってたくさんあったと思うし、高浜とつながっていく、一緒につくっていくってことができるんじゃないかな。」
▼フィナーレは参加者みんなで一緒に
最後に、今日のセッションにご参加くださった方たちが嬉しい言葉をくださったり、高浜について質問してくださったり、一緒に高浜についてディスカッションしてくださいました。
参加者Dさん:
「高浜のとなりのおおい町の方から聞いたんですが、高浜はオープンな人が多いと。それは昭和に海水浴場として繁栄していて、いい意味で商売っ気もあるし、新しいものも取り入れるし、隣町の人間からみてもまぶしいですと話されていました。私は福井県の鯖江市民なのですが、鯖江の者からみてもすごいと思うので、応援していきたいです。」
参加者Eさん:
「高浜はすごく海がきれいで海産物も美味しいって今日聞きまして、子どもを連れて、ぜひ行きたいなって思いました。これをしなきゃソンだよってことがあったら、教えてください。」
小口:
「やっぱり海の散歩ですね。海に浸からなくても、自然のエネルギーとか感じられるかも。」
浅野:
「きっと、きれいな海って日本中にいくらでもあると思うんですけど、この町の海は昔から当たり前のようにここにあった海。それを感じてもらえる環境で、仕事したり、散歩したり。そんな感じで高浜を知ってもらえたら、すごく嬉しいです。いま、なかなか美味しい魚が食べられるお店って町にないよねって話していて。なので、海の見える場所で、なんでもいいから自由に過ごす。それがいいんじゃないかなと思います。あ、でも、夕日はめちゃくちゃきれいなんで、ぜひ見てほしいです。
本田:
「僕のおすすめはサニーマートって町のスーパーマーケットで売っているお寿司を買う。このネタで、この値段?って驚きますよ。それで、役場の野村さんのところに行って、いまどこに行ったらいいかを聞いて、そこで食べる。これがね、最高ですよ。」
参加者Fさん:
「前に行く予定がコロナでダメになったんですけど、今日の話を聞いてから行けて逆によかったと思います。もっと知りたい。いつもの高浜を、飾らない高浜を教えてほしいと思います。あと、青葉山の薬草にも興味があるので、いい薬草教えてください。」
本田:
「身近なのは杜仲茶。質がいいし、美味しい。おすすめです。」
ここで時間となってしまいました。う~ん、まだ聞きたかった。残念です。でも、皆さんが高浜に興味を持ってくださって、町民のひとりとしても本当に嬉しく、本当に価値のあるセッションでした。