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高浜漁業の6次産業化プロジェクト「UMIKARA(うみから)」

 

 

かつては日本有数のリゾート地として、海水浴を楽しむお客さんで賑わった高浜町。美しい海を有したこの町では、観光業とともに漁業も盛んに行われてきました。町の漁港にはいつも獲れたばかりの魚があふれ、町の飲食業や宿泊施設では新鮮な魚が美味しい食の中心でした。

 

 

 

 

しかし、いま高浜の漁業は様々な問題を抱えています。

 

高浜町における漁業の現状は、過去10年で主な魚種別の漁獲量が約2割減少し、漁業就業者が約3割減少しています。また、定置網漁獲が柱となっているため、漁獲変動が大きく、魚価も低迷。これらの課題により、漁業者・加工業者の収入の悪化、さらに1次産業(生産)を営む上での担い手不足、漁業者の高齢化などの経営不安につながっています。

 

 

 

 

また、漁港の老朽化というハード面での課題も抱えており、漁協建て替え・移転の検討も長期に渡って行われてきました。

 

 

 

 

これらを、時代の変化という一言であきらめてしまうわけにはいかない。持続可能な地域を目指すには、高浜の漁業を未来につなげていく必要があります。

そのために高浜町は漁業の「6次産業化」にいち早く取り組んできました。

 

 

 

 

地域発展のカギ「6次産業」とは

 

「6次産業」とは、農林漁業の1次産業だけでなく、工業や製造業の2次産業、そして販売やサービス業の3次産業をすべて一体化して取り込むこと。それぞれの数字を掛けて「1×2×3=6次産業」と呼ばれます。

 

6次産業の目標としては、まず農林漁業者の収入を増やすこと。それと連動して、製造加工や販売業を営む人たちの生活も潤わせること。そうして地域の産業を発展させることで、町全体の発展にもつながっていく。

 

かなり壮大な話と感じられるかもしれませんが、いま、この6次産業こそが地域発展のカギだと言われている時代となっています。

 

 

 

 

2021年夏、6次産業施設『UMIKARA(うみから)』オープン

 

そして、ようやく具現化したのが、漁業の6次産業施設『UMIKARA(うみから)』です。

 

「UMIKARA」は、漁港が隣接した、新鮮な魚が並ぶマーケットです。ここは商業施設の役割だけでなく、漁業に関わる人たちに潤いを、魚の美味しさを忘れてしまった人たちに気づきを、そして海辺の町である高浜の再生と発展を目指した「プロジェクト」を担っています。

 

施設を運営する株式会社うみから、地域商社の株式会社まちから、そして漁師・漁業組合がタッグを組み、中心となってUMIKARAプロジェクトに取り組んでいます。

 

 

▼「UMIKARA」完成予想図

 

 

 

 

積極的なチャレンジとつながりの強化

 

また他にも、高浜漁業を発展させるために、様々なチャレンジが行われています。2019年に町の水産加工場を、加工から販売までオールラウンドに対応できる「はもと加工販売所」にリニューアル。株式会社まちからの運営で、昔ながらの干物づくりを守りつづけるとともに、新しい魚食として提案できる商品の開発にも注力されています。町内で利用頻度の低い魚を活用し、価値ある商品を生み出すことにも意欲的です。

 

 

▼はもと加工販売所

 

 

また、町内をはじめ関西圏のレストランなどとの新しいつながり、オンラインショップの開設など、販売ルートの拡大も行っています。すべて漁業関係者との密な連携で、ひとつひとつ、トライとエラーを繰り返しながら手探りの進行。それでも、少しずつ高浜の魚を広く食卓へ届けています。

 

 

 

▼高浜では利用頻度の低いシイラやエソなどを使用した フィッシュボール「ととまる」

 

 

▼干物の新しい食べ方の提案「くしもん」

 

 

今夏、6次産業施設「UMIKARA」がオープンすれば、より多くの人へ高浜の魚を知ってもらうことが可能になるでしょう。「UMIKARA」は、獲れたての新鮮な魚を売買できる場であり、魚の価値を発見してもらう場であり、美味しい魚を味わってもらえる場であり、魚や漁師ともっと身近に接してもらえる場。高浜の良さがたっぷり詰まった、魚食のファンを増やすための発信基地です。

 

 

地元の人はもちろん、観光に訪れる人たちにも「高浜の魚といえば UMIKARA」といえる施設として開かれます。商品、料理、イベントなど、はもと加工販売所や漁師、漁業関係者と力を合わせ、個性的で充実したものをお届けしていきます。

 

オープンまで後約半年。マーケット、食堂、ショップなどが楽しめるUMIKARAについて、次の記事で詳しくご紹介させていただきます。

 

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