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町は「友」を必要としている。

関係人口と地方創生?地域の未来を考えた2日間。

 

 

 

2月10日・11日、高浜町で地方創生カレッジin高浜町「働き方の変容とリモートワークの可能性~地方と都市をつなぐワークスタイル変革~」をテーマとしたセミナーが開かれました。このセミナーは、地域活性化センターの主催で、講師によるテーマに沿った講義と参加者の意見交換を中心としたグループワークで構成されています。

内容の詳細はこちら ※応募は終了しています。

 

今回、講師として参加されたのは、以下の4名の方たち。

 

 

 

 

箕浦龍一さん(公務部門ワークスタイル改研究会、研究主幹)

元総務省官僚。現在は、一般社団法人 官民共創未来コンソーシアム理事、一般社団法人日本ワーケーション協会特別顧問、一般財団法人 地域活性化センターシニアフェロー。

 

 

田中 敦 さん(山梨大学生命環境学域社会科学系長 教授

JTBを経て、社内ベンチャーとしてJTBベネフィットを起業し取締役に就任。現在は、山梨大学教授のほか、日本国際観光学会ワーケーション研究部会部会長、観光庁「新たな旅のスタイル検討委員会」委員。

 

 

浅野 容子 さん(高浜町まちなか交流館運営)

福井県高浜町出身。現在、高浜町まちなか交流館運営のほか、福井ワーケーション協会代表、日本ワーケーション協会公認コンシェルジュ。

 

 

野村 労 さん(高浜町総合政策課)

東京生まれ、埼玉育ち。福井県高浜町役場で観光振興、中心市街地活性化、NPO・農業生産法人設立、6次産業化支援など、住民参加のまちづくりに携わる。

 

 

 

▼講義メモ

 

 

地方創生は、高浜町も取り組み続けている重要なテーマ。知識、見聞、経験を増やすチャンスだ!ということで、ピン!ト編集部もセミナーに参加。さらに、地方創生カレッジin高浜で感じたこと、新たに知ったことなど、編集部内でディスカッションしてみました。

 

 

 

 

 

 

▼移住・定住がゴールじゃない。

 

 

 

ピン!ト編集部A(以下A)

ピン!トは高浜町の移住・定住の情報ポータルサイトとして、高浜の魅力や情報を発信してきたけど…ここ数年で移住定住促進の考え方って変わったよね。長期的な「定住人口」より、短期的な「交流人口」。そして最近では、地域とより深い関わりを持つ「関係人口」っていう考え方になってきて。

 

 

ピン!ト編集部B(以下B)

そうそう。ピン!トの情報発信も変えてきたよね。定住や観光のための情報から、取り組みや、魅力的な人の紹介、ワーケーションの情報に力を入れるようになったよね。

 

 

 

▼関係人口とは (総務省 関係人口ポータルサイトより)

 

 

A

でも、実際関係人口の本質?どんな人のことなのか理解してなかったって今回すごく感じた。箕浦さんの講義の中で「地方はまだ来てもらう、住んでもらうことにこだわりすぎているんじゃないか」って言われてたんやけど、実は私も関係人口のゴール地点を「移住」って設定してた。いずれ高浜に住んでもらえたらいいなって。

 

 

B

わかる。私もハッとした。リモートも当たり前になってきてて、現地にいなくても「つながる」ことって今は簡単にできるんよね。逆に言うと高浜にいながら東京の会社に就職することもできる時代なんだって。移住じゃなくてもいい、一緒に地域のことを考えてくれる関係者になってくれる人をたくさん見つけることが大切なんやって。

 

 

A

日本全体が少子高齢化で人口が減っているんだから、人口の奪い合いをしても仕方ない。なんなら自分が高浜に居ながら他の地域の「関係人口」になってもいいんや!って気がついたというか。そうやって逆の立場から考えると、地域の人とのつながり、その深さや強さってすごく重要。その関係性をつくっていくためにコミュニティーが必要なんやって腑に落ちた。

 

 

B

でも、関係人口って具体的にはどういう人のこと?どんな人を見つけて、どんな風につながるのがいいんやろう。

 

 

A

それ、野村さんの話と資料にあったよね。親とか先生じゃなくて、身近な友達じゃなくて、斜めの関係の人たち。まずは地域で、そこからもっと広がっていったコミュニティが『関係人口』になる人なんやと思う。一緒にやろう、一緒にはじめようって「共に」考えてくれる人たち。それと、一緒にワクワクできる人。

 

 

 

▼斜めの関係 (総合政策課 野村さんの資料より)

 

 

B

あと、その先に価値を生み出すってのが大事なんやね。新しいビジネスとか、起業だったり。生き甲斐だったり。それが健康寿命にもつながるって言われてたよね。だから関係人口が地方創生のカギって言うんや。今更やけど、ピンときたわ(笑)

 

 

A

イベントやお祭りって地元の人がやるって感覚やったけど、よく考えたら、それも町外の人に協力してもらっても全然いいんよね。担い手不足とか、地元の人たちだけで続けていくのは、難しくなってきてるし。町外の人は高浜でしかできない体験ができて、町内の人は文化や伝統を守ることができる。町外の人を受け入れた結果、少しくらいカタチが変わってしまってもいいんじゃないかな。祭を楽しみたい、大切にしたいって想いが一致してれば。共にある「being」、共に創る「doing」…わかりやすくていいよね。

 

 

 

 

 

 

▼これが「関係人口」の種?グループワークで実感。

 

 

B

2日目のグループワークで、高浜の地域課題や地域資源について、町内外の人で意見交換をしたやん?4~5人の小グループをつくって、それぞれ出し合った意見をまとめたけれど、このグループワークの意味って「どんな手段で地域課題を解決するか」の答えが重要なんじゃなくて、町内外の人が一緒になって、ひとつの課題について話し合うって場がつくれたってことが大事やったんやと思う。グループトークしてるとき、ああ、これが、関係人口の「種」なんやって思った。

 

 

A

最初は参加した町民の若い人たちもみんな、「どうしたらいいんやろう」みたいな雰囲気やったよね。自分もそうやったけど。でも高浜では出会えないような経験やスキル、考えを持った人と話すことができて、新しい発見が多かった。あと何より心強いな〜って思った。

 

 

 

▼A~Jグループの企画を簡単におさらい

 

B

課題は空き家、資源としては海・薬草って意見がやっぱり多かったね。けど、海がない県の人の「海があるって、本当にうらやましい」って言葉で、町の「価値」を再認識できたっていうか、みんなに高浜の海の良さを伝えたいなって思った。グループワークでは、どうやって伝えていくかの方法まで、みんなで考えたけど、ここで出てくるのが「誰がやるのか」って問題よね。民間?行政?誰かがやるでしょ?って考えじゃダメなんやって頭ではわかってるけど、自分が積極的に活動できるかって言われると、なかなか難しい…

 

 

A

誰がやるのか問題については、講師の浅野さんの話の中にあったね。どんな資源を活用するか、どんな企画を立てるのか、いろいろなアイデアはあっても実際に行動に移さないと無駄になってしまう。それは、関係人口となる町外の人も同じで、本格的に町を活性させるためのチカラになってもらうためには、まず、この町に関わりたいと思ってもらうこと。そして、町内外がお互いにwin-winとなる状態をつくっていくことが大切だって。

 

 

 

 

 

 

▼関わりたい地域。やっぱり「人」がキーワード

 

 

B

関わっていきたいって思う地域ってどんなところ?って質問では、どこのグループも同じ意見やったやん?自然や美しい景色、魅力的な資源があるってことも大事やけど、やっぱり、その地に住んでいる人が温かいとか、また会いたいって思える人がいるとか、キーワードは「人」って感じ。町外の人が関わりたいって思うためには、まずは地域の人が受け入れるモードにならないとダメなんよね。でも人の気持ちって、そんなに簡単に「どうぞ、私のテリトリーに入ってきてください」ってならない。どうしても警戒しちゃうし、日常の当たり前を変えることには消極的になっちゃう。

 

 

A

本当にそう思う。町外の人と、地域の為に新しいことをやっていく。自分がそういう行動力のある人になりたいって思うけど、そのために何をすればいいのかって考えすぎちゃって。今まで高浜で開催されてきたオンラインセッションとか、町外の人の話を聞くたびに、町外の人がこんなに自分の町について考えてくれてるのに、どうして自分自身は積極的に活動できないんやろう。どうして自分の町のことなのに、すぐ行動できないんやろうって落ち込んだりする…。今回もかなり落ち込みました(苦笑)

 

 

B

実際、難しく考える必要はないんよね、きっと。まずは自分がやりたいことをやればいいんやと思う。「創生」とか考えるから、気が重くなる。講師の人たちみたいにスゴイことをしなくてもいいって思うと、少し気楽になるよね。

 

 

A

そうやね。自分がなにかしたい!って思ったときに、目標を定めてくれたり、背中を押してくれたりするのが「関係人口」ってことなら、それって友だちに似てるのかも。恋愛に悩んだり、仕事に悩んだりしたら、話を聞いてアドバイスしてくれそうな友だちに相談するやん?それと同じで、「自分の地域の悩みを相談する友だち」って感覚でいると、気軽に話せるし、お互いに助け合える存在として大事にしていきたいって思う。

 

 

B

ほんまや。友だちのような存在って思ったら、わかりやすいかも。そういう感覚なら、自分もどこかの町の関係人口になれるって思うね。助けてもらうばっかりじゃなくて、助け合いってことやね。それや、それ。

 

 

 

 

 

▼そして、ワーケーションウイークへ。つながりをつくっていこう。

 

 

3月5日からワーケーションin高浜町「TUNAGARI Week」を予定しています。今回のテーマは、つながり。人、自然、そして自分や未来とつながる、そんな1週間です。自分らしいライフスタイルで暮らす町の人たちとの出会い、幸せな子育てや食についてのワークショップなどが予定されています。

 

 

 

 

A

リモートワークや、ワーケーションの広がりは田中さんの講義でもよくわかったけど、どこの場所・地域を「仕事場」として選ぶかは自由やん?高浜とつながってもらうために、人同士の関わりがすごく大事なんやって今回のセミナーでわかった。このTUNAGARIWeekで高浜には、こんなに素敵な人たちがいるんやって、たくさんの人に知ってほしいね。

 

 

B

ワーケーションは「WAA」(Work Anywhere Anytime)だったのが、いまAny communityがプラスされ、「WAAA」になってるって田中さんも言ってたよね。でもまずはもっと気軽に高浜のことを知ってほしい。高浜の人に出会って、いい町だねって思ってもらえたら嬉しいよね。町外の人だけじゃなくて、町民の人も、同じ町にこんな素敵な人たちがいるんだって知ったら、もっともっと自分の町が好きになるかも。たくさんの人に参加してもらいたいね。

 

・・・

 

ライフスタイルを変える、常識を変える、そんな大げさな気持ちじゃなくて、もっと気軽に、ただ『出会ってみたい』と思ってほしい。このWeekが、高浜とつながる、町とつながる、はじまりの一歩になればいいな。町のポータルサイトであるピン!トでは、TUNAGARI Weekの紹介もお届けしていきますね。

 

 

 

▼オンライン参加者との座談会とフィールドワークの様子(Kanbey.Lab)

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