2024.9.30

地域商社「まちから」の仕事 その２

地域の稼ぐ力を磨ける『商社』を目指して 〜地域産品・賑わいづくり〜

株式会社まちからは、高浜町の水産業推進プロジェクトをきっかけに設立された地域商社です。設立以来、水産加工品の開発・製造・販路開拓に専念してこられましたが、近ごろ、水産業以外を盛りあげる、地域商社としての仕事も増えてきたそうです。

いまも、水産業の振興を進めることがメイン事業であることに変わりはないそうですが、地域商社としても成長をはじめた株式会社まちから。そのチャレンジ、目標、想いなどを、引き続き、まちからの代表取締役、名里裕介さんに聞いてみました。

地域商社として

どんなことをしているの？

名里：

「地元産品の卸売りと販路開拓、既存商品のブラシュアップ、新商品の開発サポート、セレクトショップの運営などをやっています」

名里：

「町の生産者さんから産品を買い取り、それをお店や会社に卸したり、ジュースの素やレモンフィナンシェといった商品にしています。大きさや形が規格外の物もうまく商品化して、少しでも生産者さんの収入を増やしたり、フードロスを減らしたりしたいです」

▼うちうらレモンを使ったフィナンシェ

▼うちうらレモンと高浜町産いちごを使ったジュースの素

名里：

「商品開発では、販路が広がるようにマーケティングも行っています。都会でも買ってもらえる商品、デパートや百貨店で取り扱ってもらえる商品にするために、パッケージを変えたり、広報戦略を考えたりしています」

名里：

「野菜や果物も鮮魚と同じように日持ちがしませんので、商品化して、高浜みやげとして買ってもらえるようにしています。なるべく持ち運びしやすい常温商品でつくることも意識しているポイントですね」

▼百貨店などで地域産品をPRすることも

まちからが開発サポートした商品は、自社ECサイトやふるさと納税、道の駅や宿泊施設、スーパーマーケットなど、さまざまな場所で買うことができますよ。

イベントの開催も、

地域商社の仕事なの？

名里：

「町に賑わいをつくるイベントの開催も、もちろん地域商社の仕事です。毎月、UMIKARAの店前やテラスで『昼市』をやっていて、旬の魚介を使った総菜をメインに販売しています。昼市限定の総菜も販売しているので、みなさんに喜んでいただいています」

名里：

「毎回ではありませんが、昼市をはじめ、漁港やUMIKARA関連のイベントでは、漁師さんが自ら屋台で鮮魚を売ることもあるんですよ。普段あまり関わることの少ない漁師さんとお客様がつながれる、とてもいい機会になっていると思います」

イベントの開催は、企画、準備、運営など、いろいろな役割を町の人や企業、団体が担当・協力をしてくれているそうです。ひとつのイベントを一緒につくりあげてくれる仲間がいることが、とてもありがたいと話されていました。

名里：

「これからも、漁師、漁業関係者、生産者、そして消費者がつながることができるイベントになるように、頑張っていきます」

これからチャレンジしてみたいことは？

名里：

「僕は、小学生と一緒に町の地域課題に取り組む『コドモノアスケン』という活動をしています。地域課題の解決につながるアイデアを商品にして売るというところまでを授業で行います。」

▼子どもたちがアイデアを競い合うプレゼン大会

名里：

「子どもたちがプレゼン大会を行い、１位になったアイデアは商品化して、いま町内の限られたお店やイベントの出店で販売しています」

▼廃棄されるアカジソを有効活用した「しそーめん」

▼ムラサキウニの殻を活用したランプ

名里：

「このコドモノアスケンの商品を、他の生産者さんの商品と同じように、広く町内外に売り出していきたいんです。子どもたちが真剣に考え、地域が儲かる商品をつくり、町の未来を盛りあげる。その流れの仕組みづくりを、将来的に、地域商社まちからの事業にしていきたいと思っています。大人になっても住んでいたい、帰ってきたいと思える明るい町を、子どもたち自身の手でつくっていってほしいです」

将来的に、どんな

地域商社を目指しているの？

名里：

「地域課題に向き合い起業する若者も増えてきています。そういう人たちと一緒にビジネスを展開したり、高浜を盛りあげていく仲間として協力したりして、町を代表するモノやコトを生み出していきたいと考えています」

名里：

「使用されていない漁師小屋を活用したサービスや観光を考えている人もいて、そういうアイデアを実現できるようにサポートしたいと思っています。漁師町・高浜ならではの魅力的なスポットをつくるなんて、すごくワクワクしますね」

名里：

「高浜の水産業振興でも、さらに視野を広げていきたいです。加工場の規模を拡大して、より多くの加工品を生産できるようにしたいし、仲買として鮮魚の流通にもチャレンジしたいと考えています」

高浜町が好きで、町で生まれたモノ、町が賑わうコト、そして町で頑張る人、全部を盛りあげていきたいという名里さん。まちからの現在、そして将来の理想や目標、たくさんのことを知ることができました。ありがとうございました！