2025.3.15

地域に見守られながら学ぶ、元気いっぱいの子どもたち。

~ 和田小学校~ ※2024年に取材した記事です


高浜町には4つの小学校と2つの中学校があり、そのうちのひとつに和田小学校があります。今回は和田小学校の子どもたちが、どんな学校生活を送っているのかご紹介します。

 

 

 ビーチの国際認証ブルーフラッグを取得している美しい若狭和田ビーチの近くにある和田小学校。和田は、民宿文化や昔ながらの路地などふるさとの魅力にあふれた地域です。地元の方が学校行事やイベントに参加されることも多く、地域一体となって小学校の学びをサポートされています。子どもたちは、たくさんの人に見守られながら、のびのびと学校生活を送っています。 

 

 

そんな和田小学校の児童たちが、地元の方と一緒に取り組んでいるクラブ活動の様子を取材してきました。

 

 

 

地元の人が先生に、

楽しく学べるクラブ活動。

 

和田小学校では、令和6年度から地元の方に講師を依頼し、クラブ活動を行うようになりました。講師の方はご自身のスキルや知識を生かして、子どもたちにいろいろなことを教えていらっしゃいます。

 

 

今年度はダンス、運動、伝統文化、尺八、工芸の5種類のクラブがあり、それぞれ興味のあるクラブを子どもたち自身が選ぶそうです。

 

 

まずは、運動クラブ。体育館で子どもたちが元気いっぱいに、身体を動かしています。

 

 

この日はビーチボールを使ったバレーボールを楽しんでいるようです。少人数ずつチームに分かれて、試合中でした。球技が苦手な子も、ビーチボールなら遊び感覚で運動が楽しめますね。

 

 

気軽に思いっきり身体を動かすことを目的とした運動クラブですが、子どもたちの様子は真剣そのもの。やるからには勝つ!という闘志が伝わってくるようです。教えてくれている地元の方も、指導に力が入ります。

 

 

和田小学校は運動が好きな子が多いそうで、みんなイキイキとクラブ活動を楽しんでいました。

 

 

次に音楽室で行われている尺八クラブ

なかなか普段触ることのない尺八。吹き方も独特で、きれいな音を出すことが難しいと言われている楽器です。地元で本格的に尺八の演奏を行っている方たちが講師を務められています。

 

 

尺八できれいな音を出すには、楽器を構える角度も重要なようです。講師の方が尺八を支えながら、マンツーマンに近いカタチで指導しておられました。教えてもらう子どもたちもとても真剣な様子。

 

 

リコーダーより大きく、吹き口を下唇に沿わせるように当てる尺八は、構えるだけでも大変そう。それでも少し音が出ると「出たー!」と喜んでいる姿も見られました。曲を演奏することはとても難しいそうですが、頑張ってほしいですね!

 

 

次は工芸クラブの教室へ。

クラフトバッグを作っているようです。クラフトバンドの編み方をレクチャー中。講師の方が実際に目の前でつくってくれるのでわかりやすそう。接着は木工用ボンドを使うのですね。

 

 

こちらが講師の方が作成された見本の完成品。すごくかわいい!これは、子どもたちのテンションもあがりそうです。

 

 

作り方を覚えて、実際に編み始めた子どもたち。クラフトバンドは自分で好きな色を選べるようです。一本一本丁寧に編み込んでいきます。ときどき楽しそうな笑い声も聞こえますが、基本は無言で集中。みんな、もくもくと作業を進めています。

 

 

わからないところはすぐ質問。教えてもらう姿勢もすごく真面目です。できあがりが楽しみですね。

 

 

和田地区の公民館「うらら」で行われている、ダンスクラブに行ってみましょう。

和田公民館「うらら」には、床から天井までの特大サイズミラーが壁一面に張ってあるスペースがあり、ダンスの練習をするにはうってつけ。

 

 

講師は、子ども向けダンススクールの先生をされている方です。これは、本格的なレッスンが受けられそうですね。

 

 

どうやら、いま流行のK-POPダンスを習っている様子。細やかな手の振り付けがたくさんあって大変そうですが、子どもたちは一生懸命取り組んでいます。何度もやってみたり、友だちと話し合ったりしながら、しっかり振りを覚えていました。

 

 

振りを覚えたら、みんなでダンスを踊ってみます。みんな、すごい。ちゃんと踊れています。高浜町は町内で開かれているダンス教室がいくつかあるので、経験者も多いよう。お友だち同士で教えあえるから、上達も早いのかもしれませんね。

 

 

次は公民館「うらら」の和室へ行ってみましょう。

和室では伝統文化クラブが活動をしています。今日は華道と茶道を体験するようです。子どもたちはお茶室のマナーに習い、それぞれ白の靴下を持参。気持ちがキュッと引き締まる本格的な空気感を味わえますね。

 

 

和室でお花を飾られるのは床の間が多いイメージですが、クラブ活動の華道でも床板に花瓶を並べて、ひとりずつ生けていきます。茶道や華道に長けた講師の方たちが、マンツーマン状態で教えてくれるので、子どもたちも安心して挑戦できているようです。

 

 

次は茶道。お茶の点て方ではなく、お茶を頂くときのマナーなどを学びます。まずは講師の方から、お茶室のマナーについて説明。それから、お茶菓子と薄茶をいただくようです。

 

 

講師の方たちがお茶の準備をしてくれている間、子どもたちは正座で待ちます。ちょっと足が辛くなってきたかな…?

 

 

お茶菓子が配られはじめると、覚えたばかりのおじぎの作法で、しっかりごあいさつ。ちょっとぎこちない所作が、とても可愛かったです。

 

 

ひとりずつにお菓子と薄茶が配られました。子どもたちは、上手に両手でお茶碗をくるくると回し、ゆっくりと飲みます。はじめて飲んだ子からは「ちょっと苦い」という声も。素直な言葉に、講師の人も笑顔を浮かべていました。

 

 

運動、尺八、工芸、ダンスに伝統文化。地元の人たちが講師を務めることで、より多彩なクラブ活動ができているように感じました。とても素敵な取組みですよね。来年度以降も、このスタイルでクラブ活動を続けていく予定だそうですよ。

 

 

 

校長先生に聞きました。

和田小学校はどんな学校ですか?

 

和田小学校は自ら学び、考え、行動できる子どもの育成を教育目標に掲げ、活力があり、環境の整った学校づくりを目指しておられます。またふるさと「和田」を愛し、誇れる気持ちを育てることにも力を入れられています。

 

 ▼朽木校長先生

 

和田小学校の特長を教えてください。

 

朽木校長先生:

「町内のどこでも言えることかもしれませんが、豊かな自然が身近にあることは特長ですね。ふるさと学習の取組みで、特に3~6年生は探究型の授業をしているのですが、それに身近な海や山を教育の資源として生かしています」

 

 

「たとえば3年生は地域の海や山の良さを伝えるためのPR動画を作成しましたし、4年生は海ゴミを再利用してキーホルダーやアクセサリーを作りました。5年生はもち米づくり、6年生は地元の『灯音祭』というイベントでゴミを利用したワークショップや作品づくりを行いました。どれも地域課題や資源の活かし方について、生徒たち自身が考え、生徒たちが中心となって取り組んでいるんですよ」

 

 

「ふるさと学習だけでなく、毎年、ビーチマラソンやビーチレクリエーションなど海やビーチを活用した活動を行っています。それも海が近い和田小学校だからこそできるスタイルだと思います」

 

 

和田小学校の自慢を教えてください。

 

朽木校長先生:

「校区が学校中心にかたまったような地域なので、地域のつながりがとても強いです。学校にも協力的であると同時に、子どもの学びに対する関心も高い人たちが多いように思います。子どもたちを見ていても、とても素直で、愛情をかけて育ててもらっているんだなって実感しますね。地域の方の知識や技術を教えてもらえるクラブ活動は、子どもたちにとって貴重で刺激的な体験になっています。また、人との出会いの大切さもしっかり学べていると思います」

 

 

朽木校長先生:

「他にも、登下校の見守りボランティア、本の読み聞かせ、家庭科の授業の手伝いや図書室の飾りつけなど、年間延べ1500名もの地域の人が協力してくれています。毎日、地域の人と学校で出会うんですよ。ここまで関わりが深いのは、和田ならではだと思いますね」

 

 

勉強以外に子どもたちに教えていきたいことは?

 

朽木校長先生:

「結果を出すことだけじゃなく、頑張ることの大切さも知ってもらいたいです。和田小学校では、運動会やマラソン大会、縄跳び大会などは、1~6年生まで合同で色別のチームを作って競うのですが、チームと個人それぞれにポイント制を導入しています。大会当日の結果だけで順位を決めず、練習のときからのポイントも加算して決めます。普段地道に取り組んできた子の努力にも光を当ててやりたい、毎日の努力は無駄じゃないと感じてもらいたいです」

 

 

今回、和田小学校を取材させてもらい、子どもたちは、先生や地域の人、たくさんの大人からたっぷり愛情をもらって学校生活を送っていることがよくわかりました。朽木校長先生、そしてクラブ活動の講師の方々、ありがとうございました。

※2024年に取材した記事です

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和田小学校のHPはこちら

 

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